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月別 : 2018年5月

角膜の構造とCL(コンタクト)トラブル

2018年5月16日   瞳イキイキだより  
角膜は下図のように上皮・実質・内皮に分けられます。
CLは上皮の上に涙液を介して乗っているので、CLによるトラブルはまず角膜上皮に発生します。
CLの酸素透過性が悪いと角膜内皮にも変化が起きますが、これはゆっくりとした自覚症状のない障害です。

 
角膜上皮は再生しますが角膜実質、上皮は再生力はなく、この部分の混濁、機能低下は一生涯残ることになります。早期発見すなわち定期検査にて自分のリスク要因(ドライアイ、長時間装用”など)を聞いて知っておくとよいでしょう

*角膜のトラブルは感染を起こすと重大な結果を招きます。
点眼薬などの確実な使用と結果観察が重要となります。

角膜内皮細胞ってどんなもの?

2018年5月16日   瞳イキイキだより  


角膜内皮細胞の働きにより角膜(黒目)の水や酸素の吸収バランスが保たれるため、いつも透明な角膜(黒目)を維持できます。



内皮細胞は年齢とともに減少し
成人で細胞密度は1mm平方あたり2500前後となります

では、角膜内皮細胞を減らさないためにはどのようなことを心がけたらよいか?

1.メガネとコンタクトレンズを併用しましょう。
コンタクトレンズの長時間の装用は酸素不足になります。
2.いつもレンズは清潔にきれいな状態で使いましょう。できればきれいなものに 交換していくか、もしくはケアを十分に行いましょう。
レンズの汚れはコンタクトレンズ合併症の一番の原因になってます。
3.乾燥感、レンズの固着(はりついて動かない状態)に注意しましょう。
人工涙液の点眼と、定期検査により早期発見をしていきましょう。

コンタクトレンズはなぜ洗浄、定期的交換が必要か?

2018年5月16日   瞳イキイキだより  
ディスポーザブルコンタクトレンズ(メジカルビュー社)より



コンタクトの表面
(走査電子顕微鏡所見)

(1)未使用時
(2)正常者の6時間目
(3)正常者の1週間目
(4)(3)のコンタクトをクリーナーで擦り洗いをして煮沸消毒後
(5)巨大乳頭結膜炎患者の6時間目
(6)巨大乳頭結膜炎患者の1週間目

上の写真の通り、使用時間、期間が経過するにつれて電子顕微鏡写真に写るように、汚れ(タンパク質、脂質など)が多くなっていきます。
ほとんどが涙や結膜、また外気からのタンパク、脂質です。

*この汚れはアレルギー性結膜炎の原因となり、またさらにアレルギーを悪化させます。

イキイキ注目点!
1.期限がきたら交換しましょう。
2.こすり洗いなど、洗浄は忘れずに。
3.巨大乳頭結膜炎やアレルギー性結膜炎、またドライアイの人は
レンズが特に汚れやすいのでまめに交換することを心がけましょう。